プロフィール

アートセラピーの部屋

アートセラピーとは

アートセラピー(絵画療法)とは、絵を描くことによって心の変容を促す行為のことです。描画行為そのものによるカタルシスや、描かれた絵を通した心理的介入、趣味や生き甲斐の創造など、その範囲は広く、実施者(セラピスト)や参加者(クライエント)の属性も様々です。

精神医療の現場をはじめ、福祉や教育の場面でもアートセラピーが用いられるようになり、活用範囲が広がっています。

アートセラピーを始める

医療・福祉・教育の諸場面で、アートセラピーに興味はあっても何から始めていいか分からないという方も少なくないでしょう。そのような方に参考としていただけるよう、アートセラピーの入門書ができました。絵画療法の歴史や理論から、画材の選び方、実施方法までをご紹介しています。アートセラピーを通して患者さんや子ども達の心を理解し、寄り添うための手立てにしていただければと思います。

『アートセラピーBasic』

誰でもかんたんに始められる12の技法をカラーで丁寧に解説した『アートセラピーBasic』が新興医学出版社より2019年(令和元年)10月に発売されました。

言葉に出せない思いを引き出す実践法で、精神医療の現場はもとより、特別支援教育に携わる先生方や、美術教師、保育士・幼稚園教諭の方々にも役に立つ一冊です。

実施の参考となる「技法別難易度・特徴・所要時間一覧表」もご活用ください。

ご購入はAmazon 楽天市場 紀伊国屋書店ウェブストア 丸善ジュンク堂ネットストア 新興医学出版社 等でお願いします。

内容

第1章 絵画療法の理論と症例

絵画療法の歴史 / 絵画療法とは / 個人絵画療法と集団絵画療法 / 絵画療法と言語 / 絵画療法の各技法 / 絵画療法の効果 / 絵画療法における注意点(実施上の注意点・解釈上の注意点・副作用・禁忌・サイン・絵画療法の終結/疾患による描画特徴(うつ病・双極性障害・統合失調症・発達障害)/ 絵画療法としての絵画鑑賞(美術館における絵画鑑賞と鑑賞教育・学校教育課程における鑑賞教育・精神医療における絵画鑑賞・精神医療における絵画鑑賞の注意点)

第2章 絵画と脳

神経審美学 / 審美判断と脳部位 / 絵画鑑賞に特異的な神経基盤 / 気質と絵画鑑賞に特異的な神経基盤との関連/脳でみる絵画療法の効果

第3章 美術用語と画材

美術用語の基礎知識(色の三要素/暖色・寒色・中性色 / 補色 / 類似色 / 三原色 / 混色 / 遠近法 / 立体感 / 輪郭線 / グラデーション)画材の基礎知識(画用紙 / ケント紙 / キャンバス / 水彩絵具 / アクリル絵具 / 筆 / パレット / 鉛筆 / 色鉛筆 / 筆ペン / マスキングテープ / のり / お勧め画材 / 紙 / 筆ペン / アルコールマーカー / 水性ペン / 水彩絵具 / 筆 / 描画材料 / のり / 染料 / 和紙)

第4章 実際の方法Ⅰ ―導入のための技法―

模様のフロッタージュ / 葉っぱのフロッタージュ / 再生コラージュ / 折り染め(染めの工程)/ 折り染め(加工の工程)/ 落ち葉の塗り絵 / ステンシル / 切り紙 / 曼荼羅アート

第5章 実際の方法Ⅱ ―本格的な技法―

静物画(デッサン)/ 版画(一版多色版画)/ 名画の模写

第6章 実際の方法Ⅲ ―絵画鑑賞の技法(特別編)―

対話による絵画鑑賞

コラム

絵画療法に情熱を注いだ画家エイドリアン・ヒル / アール・ブリュットの作家アドルフ・ヴェルフリ / アール・ブリュットとアウトサイダー・アート / 式場隆三郎と山下清 / 首藤定の美術品蒐集

Q&A

絵画療法と芸術療法は同じ意味でしょうか? / 絵画療法の誘いに乗らないときはどうしたらよいでしょうか? / 色鉛筆や絵具は何色を揃えたらよいでしょうか? / 作品の見本は示したほうがよいでしょうか? / 絵画療法と美術教育の違いは何ですか? / 絵画療法で絵は教えてはいけないのでしょうか? / 作品はどのように扱ったらよいでしょうか? / 絵は何歳から鑑賞できますか? / 障害があっても鑑賞できますか?

著者紹介

著者
溝上 義則 (みぞかみ・よしのり)
専門
美術教育 絵画療法
学位等
芸術学士 医学博士 日本芸術療法学会認定芸術療法士
活動
芸術療法士として精神科、小児科、福祉施設、保育園などで活動
大学や専門学校等で芸術療法に関する授業を担当